点群(点群マブヤー)POINT GROUP

点群マブヤー

「マブヤー」とは

うちなー口(沖縄弁)で主に「魂」の意味があります。
沖縄では特に子供は転んだりびっくりすると、魂を落としてしまうと考えられているため、その場所で魂を拾い、それを身体に戻すように背中や頭をさすりながら「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー(魂よ魂よ、戻って来なさい)」と唱える風習があります。例えば・・・

孫:「おばあ、転んでしまったよー」
おばあ:「大変! まぶやーしようねー」(転んだ現場に戻って地面から魂を拾って戻す仕草をしながら)
おばあ:「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー(魂よ魂よ、戻って来なさい)」

デュアル・アイ・ティーの「点群マブヤー」
建設で造形された建物たちは、人と同じで、1件ごとに個性があります。その建物たちは、やがて老朽化していき改修工事が施されます。デュアル・アイ・ティーはその改修工事で建物の「魂」を点群システムで拾い集め、データー解析をすることで、次の時代へ引き継がれる高機能な物件へ改修できることを願い、この点群システムを「点群マブヤー」といたしました。

点群とは

点群とは、コンピューターで扱う点の集合のことです。
まず、3Dレーザースキャナーからレーザーを照射し、物体までの距離を測定した「点」を拾います。そして、この点を何十万点、何百万点と集積し、「群」にまとめ、物体の位置関係や形状を立体的なデータに起こすことで、最終的に閲覧や計測ができるようにしたものが「点群」です。

改修工事の現調と既存図作成

いままでの問題点

  • 既存図が古く、手書きしかない…
  • 竣工図が設計図ベースしかない…
  • 竣工図と現地が違い過ぎる!
  • 建築データーもないから、間取りも調査が必要…
  • 現地調査に行く人手が足りない!
  • 調査する部位が高所、長距離のため足場などの準備が必要
  • 既存図を復元するには、何度も現地に調査に行く必要がある
  • 配管など現場合わせで原寸どりが必要な場所が多数ある

点群マブヤーで解決!

点群を座標管理して記録しますので、その場所の間取り(柱・梁・床・建具・他)と設備機器や配管ダクト、鋼材、支持金物、計装や分電盤類を同一寸法で既存図としてCAD化することが出来ます。

  • 面積にもよりますが、機械室などは1日2名で測量を完了できます
  • 測量距離は半径70mなので、高所の対象物を足場なしで計測することが出来ます
  • 測量した場所は全て記録しているので、以降の調査は不要です
  • 測量精度はバッチリなので、既存図で高度な検討が出来、現場合わせを省略することができます

「点群マブヤー」システムの流れ

STEP01
測量(撮影)

測量(撮影)

1カ所、約5~7分程度。機械室の場合、およそ10㎡毎に1か所撮影。
(現地にて状況を確認し、死角の多さ、配管の量などによって測量カ所を判断します)

STEP02
データ読み込み

データ読み込み

現地にノートPCを持ち込み、撮影を行いながら撮影済みのデータを読み込み。その場で撮影の具合を確認する。

STEP03
解析(立体情報・配管抽出)

解析(立体情報・配管抽出)

持ち帰った測量データから、建築のモデルやダクトとなる平面、配管となる円柱を自動的に抽出します。抽出された平面・円柱を確認し、不要物を削除、不足分を補完して、整え仕上げていきます。

STEP04
BIM化(施工図化)②

BIM化(施工図化)①

「Rebro」のアドイン機能を使用「InfiPoints」からデーターを移行し、CADへのデーター変換を行います。CAD操作でのデーターの属性などの編集、部材の編集、配管ダクトの編集、仕上げ作業を行います。

BIM化(施工図化)②

BIM化(施工図化)②

2次元情報での編集を行い、図面として出力可能な状態まで作業を行います。

BIM化(施工図化)③

BIM化(施工図化)③

仕上げCGを作成します。吊ボルトや鋼材など細部にわたり再現が可能です。

「点群マブヤー」発注までの流れ

  • 物件情報のご提供

    測量点数や配管ダクトの密度などが分かる図面の提出をお願いします。測量を行う場所の確認し、作業スケジュールを調整いたします。

  • 見積り

    測量費、データーの解析後既存図作成作業の費用を算出し、ご提出いたします。

  • 測量作業

    2名で測量いたします。
    1日で約40(約~400㎡)か所までの測量が可能ですが、それを超える場合は、2日間以上の測量日が必要です。

    • 測量の出来る環境が必要です。(通路、測量機器の設置場所の確保や測量影の出来る不要材などの片付けなど事前に確認が必要です。)
    • 測量で必要な電源、照明など、現地で使用させていただくことをご承諾ください。
  • 既存図の作成作業
    (納品)
    • 「Infipoints」にて測量データーの「導入」、「合成」、「ノイズ処理」、「配管抽出」、その他造形物の処理を行います。
    • 「Rebro」で仕上げ作業を行い既存図を完成させます
    • 「IFC変換」することで、「Tfas」での納品も可能です。
    • 「柱」「梁」「壁」「床」「建具」「基礎」「配管」「ダクト」「鋼材」「特殊形状な機器」「計装配管」「分電盤」「制御盤」「ケーブルラック」「支持金物」「支持鋼材」「全ネジ棒」などの再現が可能です

点群測量について

仕組み

  • レーザー光を上下及び左右に360度照射し、その反射時間を距離換算することで点の座標管理を行っています
  • レーザーの照射間隔と回転移動角により点の密度が変えられるので、それにより解像度の調整が可能です。
  • 測量時は同時に360度でデジタル写真撮影を行っているので、測量した点群に着色することが出来、色合いの表現も可能となっています。
  • 測量機器の配置間隔は、合成した際、撮影漏れがないように配置することが重要です。熱源機械室などの配管ダクトが多い場所は約10㎡ごとに配置します。
  • 1回の測量で(解像度により)約30万~5000万点の点群を測量します。

点群測量が出来ないこと

  • 人が見えないところは測量もできません→ダクトなどで隠れている上部の配管や天井裏の設備など
    • レーザー光線で撮影を行っています。レントゲンのような透過測量はできません。
  • 対象物が黒いもの:レーザー光が反射しにくいので、測量では点を持たず、抜けた状態となります
  • 対象物が透明のもの:透明ガラスなどはレーザー光が透過しますので、その先の物体を測量します
  • 対象物が鏡など:レーザー光が鏡に等角反射してしまい。測量機器にレーザーが戻らないため測量では点を持たず、抜けた状態となります
  • 屋外の雨天時測量:水滴でレーザー光線が屈折するため、測量ができません
  • 強風時の測量:三脚の振動によりスキャナーも振幅し誤測量が発生します

測量(撮影)条件

測量機材と技術者を入場させていただきます

測量には専用機材とその操作者が必要なため、その場所への入場許可をいただけますようお願いいたします。またその際は入場するための条件や手続きなど事前に済ませていただけますようお願いいたします。

測量場所の照度確保ができていること

撮影には点群に色付けを行うための一般撮影もあるため、照明設備の確保があることが望ましいです。

事前に測量場所の情報を提供してください

既存の平面図などあれば、事前に提供をお願いいたします。見積もり、撮影ポイントやポイント数、部屋の大きさなど、事前に準備を行うために必要となります。

1日の測量か所数

1日に測量ができる箇所は約40か所です。それを超えるような場合は複数日での作業となる場合があります。

  • 1日の合計作業時間と機材の電源供給可能時間の目安です。

合成作業

測量後は、点群を合成し、解析を行います

解析は、「Infipoints」を利用し「ノイズ処理」「配管抽出」「特殊造形物の立体処理」などを行います。データーは測量時点で100GB前後となる立体情報を扱うため、コンピューターはグラフィック処理が大きな負荷となり、グラフィックボードを強化したワークステーションで解析を行う必要があります。

その他活用方法

機械設備の配管、ダクトを再現できる「点群マブヤー」は、その工程を利用して躯体の測量なども再現可能です。改修工事で解体工程時期に測量を行うことで、既存の躯体図を作成可能です。スリーブの位置大きさを測量出来るので、改修工事で設備配管の既存スリーブを有効利用する検討が可能となります。

躯体測量(改修工事対応・スリーブ現調)

軌道測量(配管工事対応)

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